Titan Army P275MV-A レビュー|全部乗せモニター

P275MV-Aレビュー
記事目次 - コンパクト版

◇本題の前に

 P275MV-Aの詳細に入る前に、そもそも「Titan Army」がブランドなのかメーカーなのかわからない方が多いと思うので触れておきます。

  

◇Titan Army って?

深センのモニターメーカーINNOCN。そのINNOCNのハイエンドゲーミングモニターブランドとして展開されているのがTitan Army。

日本でもリンクスインターナショナルが販売代理店として取り扱っており、代理店直販を始め家電量販店やAmazonでも2023年終わり頃から徐々に目にする機会が増え少しずつ日本市場でも浸透し始めた段階と思われます。


出所が分かったところで

P275MV-Aの基本スペックは以下の通り

モニター仕様表
メーカー INNOCN(Shenzhen Century United Innovation Technology Co., Ltd.)
ブランド Titan Army
パネルサイズ 27インチ
パネル種別 IPS & QDLED(量子ドット)
ディスプレイ表面 ノングレア
色域カバー率 DCI-P3 99%, Adobe RGB 99%, sRGB 99%, NTSC 95%
解像度 4K(3840×2160)
HDR HDR1000
最大輝度 SDR時 450nits, HDR時 1000nits
コントラスト比 通常時: 1500:1, DCR時: 2500000:1
応答速度(GTG) 通常時 14ms, OD時 4ms, MPRT 1ms
最高リフレッシュレート Display Port出力: 4K@144Hz / Full HD@288Hz
HDMI出力: 4K@144Hz / Full HD@288Hz
インターフェース 2x HDMI 2.1、2x DP 1.4、1x Audio Out
Adaptive-Sync 対応
フリッカーフリー 対応
オーバードライブ 対応
ナイトビジョンモード(暗部補正) 対応
DyDsモード(黒挿入明暗化機能) 対応
KVM 非対応
本体サイズ スタンド含む: 614mm x 229mm x 518mm
スタンド除く: 614mm x 66mm x 364mm
本体重量 約6.0kg(スタンド含む)
補足事項 • デュアルモードで解像度と最大リフレッシュレートが切り替わる際、アプリの再起動が必要になる場合があります。

• 25インチモードでは、映像データ処理のために最大リフレッシュレートが低下します。
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Titan Army P275MV-A 27型 4K ゲーミングモニター
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  • 1152ゾーンローカルディミング対応
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 タイトルにも書きましたが、

ハイエンド中のハイエンドではないにせよFastIPSでないことを除けば

“今から4Kゲーミングモニター買うならここは押さえたいよね”を見事に網羅しています。 

 

 

◇4Kモニターへの移行と選定理由

自身のメインPCを組みなおした兼ね合いで、これまでのフルHDモニター環境だとGPU性能がモニターを大幅に上回りモニターがボトルネック化。ゲームに限らず作業面でも解像度が上がることはメリットしかないので4K環境への移行を実施。

 

◇P275MV-A を選んだ理由

今からモニターを買うにあたり私が押さえたかったポイントと理由は以下の通り。

ポイント 理由
① 4K 高解像度化しないとGPUが遊んでしまいもったいない
② IPS+量子ドット せっかくなら画質もこだわりたい
③ miniLED 画質をこだわる上でminiLEDはマスト
④ リフレッシュレート144Hz以上 高ければ高いほど良いが、GPU性能が間に合わないことを考慮するとこの辺りが無難なラインと判断
⑤ コストパフォーマンス 上記すべての条件を満たす中で、最もコスパに優れるもの

 以上の条件で選定。

同一スペックの売れ筋の中に MAG 274UPDF E16M といった10万円クラス(これでも以前よりだいぶ安価) もありましたが、その主な違いはリフレッシュレートとFastIPS。 

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ではFastIPSは必要か?

もちろん “あればうれしいがFastIPSであることを求めるような競技性の高いゲームをするならそもそも4K環境でなくフルHD環境で煮詰めてその分ほかの部分に投資すべき”と思い至りました。



 

 

◇簡易レビュー 

さて前置きが長くなりましたが本題のレビューです

 

◇開封 

外箱


同梱品



製品の箱はシンプル。

同梱品も基本的なもののみなので特筆するところは無し。

※と思っていたのですが、同梱されているDisplayPort1.4ケーブルが思ったより短かったです。

PCを床においてモニターアーム使っている私では長さが足りなくてパツパツだったので2mのケーブルを追加で買いました。

 

ACアダプタはまぁまぁ大きいので設置場所に注意。約13cm x 6cm x 3cm。 

スマホ2台重ねたぐらいのサイズ感。ACケーブルはいわゆるミッキーケーブル。

 

 

個人的に 優秀に感じたのはこちらの照度センサー。

夜間の使用時、部屋を暗くした際の反応が良好です。 いちいちモード切り替えなくていい。

もちろんON/OFF可能。 ※ONにしていると後述のDyDsをONに出来ないので注意

 



◎miniLEDと量子ドットの威力は凄まじい

画質比較その① 


 

左がTitan Army P275MV-A、右はLG 24GN650-BAJP 

分かりやすくするために部屋を暗くして撮影。

スマホで撮って出しなので画質は参考程度ですが、miniLEDのバックライト漏れの無さが見事。ローカルディミング1152分割がどの程度なのかいまいちイメージ出来ていませんでしたがここまでやれるのかと驚き。

合わせて量子ドットの色抽出力も素晴らしく目の覚める赤が見て取れます。

この画像からは読み取れませんが視野角は一般的なIPSパネルのそれでした。 


画質比較その②



 

先ほど同様スマホのカメラでそれぞれ撮って出し。 

日本刀の刀身に当たった光が反射する様子の4K HDR映像の同一フレーム。 

前者が LG 24GN650-BAJP

後者が Titan Army P275MV-A  

4Kであることでの詳細な描画力の差が明らかです。

ここでもminiLEDの効果が非常によく出ており、刀身に当たった光が反射する様子が24GN650-BAJPでは反射光の周りにグレアが出てしまっていますがP275MV-Aではグレアをしっかり押さえて刀身が反射している様子をちゃんと表現できています

また、刀身から画面四隅に目を移してもバックライト漏れが無く映像に集中できます。 

 

 

◇OSDの操作性 

 先に断っておくとこれはお世辞にも良くないです。要改善ポイント。

モニターの特性上OSDの操作性ってお金をかけるべきところからほど遠いところだと思うので仕方ないといえば仕方ないのですが、これまで触ってきたモニターにおいてOSDの操作性は下の下です。全く進化してません

昔のモニターはOSDの設定項目自体が少なかったので操作する必要性も低く求めていませんでしたが、P275MV-Aの様な高機能なモデルになればなるほど悪目立ちします。

プリセットはそれなりに用意されていますがそれぞれがどんなモードか予測はつくものの個別に設定値を見に行かないとはっきりしません。

執筆時点では販売代理店のリンクスインターナショナルにもマニュアル掲載は無し。

発売したてのモデルの宿命。  


 

プリセットメニューは15通り。 

STD(デフォルト設定)を自分好みにカスタムして

場面場面でプリセットメニューから切り替えていくのが普段使いの正解パターン。



そんな中私が最も衝撃だったのがコレでした。

これの何が衝撃かってこの画面の意味するところが

"プリセットメニュー中の標準モードを適用中してるよ"ってだけでした。噓でしょ

プリセットメニューを見る前に見ると意味不明だし、その意味を理解した後だとしても階層構造として美しくなさ過ぎ無駄すぎて衝撃でした。 

Titan Armyさんお願いだからここは何とかしません?

 

 

◇デュアルモードについて

P275MV-Aには面白い機能として 

4K144HzとフルHD288Hzの2モード切替可能というものがあります。

しかし率直に言ってこの製品にはいらないモードです。フルHD288fpsでやるような環境を求めるゲームならばFastIPSであるべきでニーズと仕様が合っていないです。おまけレベルに留めておきましょう。 面白いんですけどね。

 

 

◇対ゲーム評価

※前提として私は超低遅延を求めるような競技性の高いゲームはプレイしておらず、個人的に主にプレイしているゲーム→ゼンレスゾーンゼロ(通称ゼンゼロ or ZZZ)を例として主体かつ体感として書きます

 

先に結論を言うと

DyDs(ダイナミックディスプレイ)モードが優秀なのでありよりのあり

 

これまでメインで利用していたFastIPS GtoG 1msのモニターから移行しての一番の心配事はパネルの性能差からくる残像感への心配でした。

しかし挙動は思っていたよりは良好でゼンゼロ程度のゲームであれば正直P275MV-Aの標準設定でも特別問題は感じませんでした。

その上で残像感を感じるのであればP275MV-AにはTitan Army独自のDyDs(ダイナミックディスプレイ)モードがあります。

 

◇DyDs(ダイナミックディスプレイ)モードとは?

これは昔からある黒挿入技術で各描画フレームの合間合間に黒画面を挿入し強制的に区切ることで前のフレームの像が残りつづける(残像)ことを軽減します。

半面、デメリットとして像の合間に黒が入れば入るほど画面の明るさが稼げなくなるので半端なものでは暗くなりすぎて実用的ではないというのが黒挿入技術の一般的な内容です

詳細は不明ですがこの黒挿入をしているにもかかわらず画面照度が思っているほど落ちないのがTitan ArmyのDyDsの強みです。

 

DyDsには

  1. オフ
  2. 中 
  3. 超低遅延レベル1
  4. 超低遅延レベル2
  5. 超低遅延レベル3 

のオフ+6段階の強度設定があります。 

以下にゼンゼロの新マップでいちゃついてるカップルを例にします。

スマホのカメラではありますが、ISO感度固定、シャッタースピード1/160固定、露出固定の同一条件下で撮影。トリミング以外無編集です。 




 

いかがでしょう、わかりましたか?

ちなみに上から順に

  • ①オフ
  • ②弱
  • ③高
  • ④超低遅延レベル3 

 でした。

完全に体感での話をすると中から上はほぼモニター輝度の変化は無く 

オフ>>弱>中≧高≧超低遅延レベル3くらいのイメージ

 ※追記:マニュアルも無く操作していて理解してきた部分になりますが、おそらくDyDsのレベル表記は黒挿入レベル低中高で一区切り。超低遅延レベルに関しては別枠で液晶のオーバードライブ+黒挿入のレベル調整な気がしてきました。確証はありませんが多分そう。

 

 

◇DyDsは実際効果ある?

 結局はここだと思いますが私の目で144Hzを捉え切るのは不可能なので同一動作をしているキャラクターをDyDs設定オフと設定高で動画撮影し、フレームを抜き出して比較しました。

※モニターのリフレッシュレート以上の撮影が出来ないので60fps撮影です。1/60フレームまで捉えられる人の目にはこう映るぐらいに思っておいてください


見ての通りまぁまぁ違います

残像が全くなくなるわけではありませんが目で見ていても像のくっきり感は上がります



 

 

 

まとめと補足

いろいろ書きましたが、要約するとこの価格でありながら4Kに求める部分はしっかり押さえているのでFastIPSでないことを許容出来ない方を除けば大抵の方には刺さるモデルではないでしょうか。

個人的な考えですが 

現時点でFastIPSを求めるような使い方をするならばフルHD~WQHDで高リフレッシュレート且つFastIPS or 有機EL

そこまでの応答速度を求めず画質その他を求めるならばP275MV-A。デュアルモードをちゃんと活用するなら MAG 274UPDF E16M。 

のような形がよろしいのではないかと思います。

P275MV-Aに関しては新製品且つ製品保証1年間という点は不安要素ですが自作er的にはそれもまた良し(?)ということで問題が起きないことを祈りつつしばらくはこちらのモニターを使い倒していきたいと思います。

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